武蔵野東学園の世界にも他に例のない自閉症児教育における5本の柱

武蔵野東学園の世界にも他に例のない自閉症児教育における5本の柱

武蔵野東学園が行う自閉症児教育は、一般的な障害児教育の手法とは大きく異なります。
世界にも他に例のない、武蔵野東学園の独特の自閉症児教育についてご紹介します。

1.生活療法

生活療法とは、自閉症児に対する社会自立に向けた教育法として、武蔵野東学園の創立者が開発した手法です。
生活リズムを整える「体力づくり」、協調性と自発性を育む「心づくり」、教科学習の指導を行う「知的開発」の3つを重要な柱として、段階的な指導を行っています。

また、障害児教育では、児童の「できないところ」に焦点を当てて訓練し、矯正する手法が一般的です。
しかし、この矯正的訓練は自閉症児に過度なストレスをかけてしまう可能性があります。

これに対して武蔵野東学園の生活療法では、児童の「できることを伸ばす」ことに重点を置いて指導を行います。
「できないこと」に対しては時間をかけて指導し、日常生活への支障がなくなるように習慣づけします。

このように自閉症児の全体像をとらえ、「できること」を少しずつ増やしていき、達成感を育てる手法が生活療法です。

2.集団教育

武蔵野東学園の自閉症児教育の中核をなすものが集団教育であり、この教育手法は、他者の存在に興味を持たず、コミュニケーションに問題を抱える自閉症児の教育の入り口として、極めて重要です。
武蔵野東第一・第二幼稚園では、10名弱ほどの自閉症児のみのクラスを編成して指導を行います。

最初はほとんどの子どもが教師の語りかけに反応しないものの、安心できる環境のなかで過ごすうちに、徐々に級友の言動に関心を抱き始め、他者とのコミュニケーションにも興味を持つようになっていくのです。

3.混合教育

集団教育の発展形として行う混合教育により、武蔵野東学園では自閉症児と健常児を同じ建物の中で教育しています。

一般の教科学習は別々のクラスで学ぶものの、特定の教科のみ健常児と一緒に学ぶ自閉症児もいるなど、それぞれの子どもの能力や状態に応じて、柔軟かつ適切な学習環境を提供できるのは、武蔵野東学園の自閉症児教育における最大の特徴です。

また、健常児と自閉症児の交流を促進する機会を意識的に作り出しており、両者が一緒に昼食を食べたり、団体競技を行ったりして学園生活を送ります。
健常児から受ける刺激は、自閉症児たちが他者の存在に関心を持つきっかけとなり、教師の指導を受け入れ、学び、成長していく基礎をつくっています。

4.社会自立に向けた教育

自閉症児が「社会自立できる力を養う」ことが、武蔵野東学園の自閉症児教育の目標です。
学園では身辺自立力の習得からはじまり、家庭生活での自立行動指導や公共の場でのルール指導などの、社会適合教育を段階的に行っています。

そして、最終目標である社会自立の達成に向け、就労に関する知識習得・実務体験などの職業教育も行います。

この社会適合教育と社会自立教育により、ほとんどの自閉症児は就労を果たしています。

5.保護者と教師の連携

家庭と学校の緊密な連携も、武蔵野東学園が行う自閉症児教育の特徴の一つです。

とくに幼少時の身辺自立教育は、学園内での教育以上に、家庭での粘り強い指導が大切となります。
そこで、自閉症児教育の経験と知見を有した担任教師が、個々の特性に適した指導方法をアドバイスし、自立教育をサポートします。

学園では普段の送り迎えや行事などで、教師と親が対話する機会が多く、活発な情報交換が行われています。
さらに保護者研修会を定例的に開催し、専門家や学園卒業生の親を招き、親たちを元気づけているのです。


武蔵野東学園では、自閉症児を特異な個性を持つ子どもとして接しており、障害(特異性)を持ちながらも、社会に受け入れられる大人をつくり出すために、あらゆる手段を尽くしております。